理事長挨拶

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日本眼腫瘍学会は昭和58 (1983)年に研究会として発足し、年一回の学術大会を重ねながら、平成23(2011)年の福島大会からは学会に改組されました。私たちが主に取り組んでいる疾患は、小児と成人に生じる眼球内と眼球外(眼瞼、眼表面、眼窩、視神経、涙器)の良性および悪性腫瘍と、腫瘍との鑑別を要する様々な炎症性疾患です。眼部は全身の中でも特に多彩な組織で構成されており、発症頻度は希少ながら、疾患のバリエーションに富む特徴があります。現在、会員の90%以上は眼科医で構成されており、視機能、整容、生命が守られるよう日々の診療と研究にあたっています。しかしながら、全身に比較すれば眼部という狭い範囲を扱う希少性のため、まだまだ社会的認知度や情報発信力は高くはありません。患者さんが少ないなら専門とする医師も少なく、少ない患者さんは全国に分散しております。患者さんや診察した眼科医が、適切な時期に適切な医療機関に紹介できるよう、眼部希少がん診療施設の公開、眼瞼腫瘍のAI診断技術の開発、眼部悪性腫瘍の発症頻度と予後調査に力を合わせているところです。希少であることによる検査・治療の適応症など社会的環境整備の遅れを否めませんが、少しずつですが歩みを進める手段が整備されてきました。患者さんや国内外への情報発信、そして生涯学習や後進医師育成が充実するよう、微力ながら尽くしたいと思います。

2020年度は開催を見送った38回学術総会は、福岡での現地開催が盛況のうちに終了しました。同じく1年延期となったオリンピック・パラリンピックも色々と議論はありましたが,多くの感動を与えてくれました.スポーツも学術も困難があっても開催してみると、どのような形態であれやって良かったなという充実感が得られます。眼腫瘍学会員は、眼科専門医の1%にも満たない人数ですが、様々な取り組みを通して診療環境を充実させながら、皆様のお役に立ちたいと願っております。今後ともご助力の程、よろしくお願い致します。

2021年9月吉日

日本眼腫瘍学会 理事長

古田 実