理事長挨拶

ホーム > 理事長挨拶

日本眼腫瘍学会は昭和58年に研究会として発足し、年一回の学術大会を重ねながら、平成23年(第29回)の福島大会からは学会に改組されました。私たちが主に取り組んでいる疾患は、小児と成人に生じる眼球内と眼球外(眼瞼、眼表面、眼窩、視神経、涙器)の良性および悪性腫瘍と、腫瘍との鑑別を要する様々な炎症性疾患です。眼部は全身の中でも特に多彩な組織で構成されており、発症頻度は希少ながら、疾患のバリエーションに富む特徴があります。現在、会員の90%以上は眼科医で構成されており、眼科医として視機能の回復・維持を重要視しながら、整容、生命が守られるよう日々の診療と研究にあたっています。しかし、本邦における眼部腫瘍自体の認知度は低く、私どもが扱う殆どの悪性腫瘍が「希少がん」に相当します。近年、希少がんに悩む患者さんや医療施設に、どの施設を受診・紹介すべきか判断する参考資料を提供すべく、厚生労働省が主体となって公平な立場で施設別疾患別患者数の公開が開始されました。本学会もこの取り組みに賛同し、協議を重ねながら運用に至った経緯があります。また、眼部悪性腫瘍の発症頻度や治療成績についての基本資料作成のために、国立がん研究センター中央病院が主体となって全国約30の診療施設との共同研究を開始しました。徐々に皆様に還元できる情報が得られるようになると思います。眼科医療のみらならず、社会に貢献しうる学術団体として着実に成長を遂げて、ますます患者さんや国内外への情報発信と後進医師育成の基盤が整うよう、微力ながら尽くしたいと考えております。

令和元年5月1日